単元解説

IPv4サブネット計算

ネットワーク基礎CCNA

IPv4アドレスとプレフィックス長からネットワークアドレス、ブロードキャストアドレス、利用可能ホスト範囲、VLSMによる分割を求める方法を学びます。

図版:Net Basics Labタップして拡大
IPv4サブネット計算の要点を図解しています。

この単元で学ぶこと

IPv4サブネット計算では、IPアドレスとプレフィックス長から、そのアドレスが属するネットワーク、ブロードキャストアドレス、利用可能なホストアドレス範囲、利用可能ホスト数を求めます。

計算は暗記だけでなく、IPv4アドレスが32ビットであること、プレフィックス長がネットワーク部のビット数を表すこと、残りがホスト部になることを理解すると安定します。

計算の基本式

プレフィックス長を /n としたとき、ホスト部のビット数は 32 - n です。アドレス総数は 2^(32-n) 個になります。

通常のLANサブネットでは、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは端末へ割り当てないため、利用可能ホスト数は 2^(32-n) - 2 です。

ホストビット数 = 32 - プレフィックス長
アドレス総数   = 2^(ホストビット数)
利用可能ホスト数 = 2^(ホストビット数) - 2

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス

ネットワークアドレスは、ホスト部の全ビットが0のアドレスです。サブネットそのものを表すため、通常は端末へ設定しません。

ブロードキャストアドレスは、ホスト部の全ビットが1のアドレスです。そのサブネット内の全端末へ一斉送信するときに使われるため、通常は端末へ設定しません。

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの間にあるアドレスが、通常の利用可能ホスト範囲です。

プレフィックス長とサブネットマスク

プレフィックス長は、IPv4アドレス32ビットのうち、先頭から何ビットをネットワーク部として使うかを示します。たとえば /24 は、先頭24ビットがネットワーク部、残り8ビットがホスト部です。

/24 のサブネットマスクは 255.255.255.0 です。/27255.255.255.224 で、ホスト部は5ビット、アドレス総数は32個、通常の利用可能ホスト数は30台です。

ブロックサイズで境界を見つける

サブネットマスクが途中のオクテットで切れる場合は、ブロックサイズを使うと境界を素早く見つけられます。

ブロックサイズ = 256 - 境界オクテットのサブネットマスク値

たとえば /27 のサブネットマスクは 255.255.255.224 です。境界オクテットは第4オクテットで、ブロックサイズは 256 - 224 = 32 になります。したがって、第4オクテットのネットワーク境界は0、32、64、96、128、160、192、224です。

例:192.168.10.77/27を計算する

/27 のブロックサイズは32です。第4オクテットの77は、64から95までのブロックに入ります。

対象アドレス          192.168.10.77/27
サブネットマスク      255.255.255.224
ネットワークアドレス  192.168.10.64
ブロードキャスト      192.168.10.95
利用可能ホスト範囲    192.168.10.65 - 192.168.10.94
利用可能ホスト数      30

最初の64がネットワークアドレス、最後の95がブロードキャストアドレスです。その間の65から94までを端末へ割り当てられます。

2進数で確認する考え方

計算に迷ったときは、境界オクテットを2進数にします。/27 では、第4オクテットの先頭3ビットがネットワーク部、残り5ビットがホスト部です。

77  = 01001101
224 = 11100000

ネットワーク部を残してホスト部を0にする
01000000 = 64

ネットワーク部を残してホスト部を1にする
01011111 = 95

ブロックサイズの方法と2進数の方法は、同じ結果を別の見方で求めています。

借用ビットとサブネット数

大きなネットワークを複数サブネットへ分けるときは、もともとのホスト部の一部をネットワーク部として使います。この追加したビットを借用ビットと呼びます。

借用ビットを b ビット増やすと、サブネット数は 2^b 個になります。一方で、各サブネットのホスト部は減るため、利用可能ホスト数は少なくなります。

VLSMとは

VLSMは、同じ大きなアドレス範囲の中で、用途ごとに異なるプレフィックス長のサブネットを使う考え方です。

たとえば100台必要な部門には /25、50台必要な部門には /26、20台必要な部門には /27 のように、必要なホスト数に合わせて分割できます。

VLSMでは、必要なアドレス数が多いサブネットから先に割り当てます。大きいサブネットを後回しにすると、連続した大きなアドレス範囲を確保できなくなるためです。

/31と/32の扱い

/31 は2個のアドレスを持つプレフィックスです。ポイントツーポイントリンクでは、両端のルータ用アドレスとして利用できる場合があります。

/32 は1個のアドレスだけを表し、ホストルートやループバックインターフェースでよく使われます。通常の複数端末が接続するLANのホスト数計算とは扱いが異なるため、問題文の条件を確認します。

計算の手順

  1. プレフィックス長からサブネットマスクとホストビット数を求める
  2. 境界オクテットとブロックサイズを求める
  3. 対象IPアドレスが入るブロックを特定する
  4. ブロック先頭をネットワークアドレス、ブロック末尾をブロードキャストアドレスとする
  5. 利用可能ホスト範囲と利用可能ホスト数を確認する

まず覚えたいポイント

IPv4サブネット計算では、プレフィックス長からホスト部のビット数を求め、境界を見つけることが基本です。/27ならホスト部は5ビット、アドレス総数は32、通常の利用可能ホスト数は30です。ブロックサイズと2進数の両方を使えるようにすると、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを正確に求められます。

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